事業再構築補助金は2026年度で廃止?代替となる新事業進出補助金を解説
事業再構築補助金の廃止・終了と、代替となる「新事業進出補助金」「中小企業省力化投資補助金」について最新情報を解説します。
目次
事業再構築補助金の廃止について
事業再構築補助金は、コロナ禍で影響を受けた中小企業の事業転換を支援する目的で2021年度に創設されました。累計の申請件数は30万件を超え、約10万件が採択された大型補助金です。
しかし、2025年度(令和7年度)の公募をもって事業再構築補助金は終了しました。2026年度の公募は行われません。
事業再構築補助金の概要(振り返り)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 事業再構築補助金 |
| 所管 | 経済産業省・中小企業庁 |
| 開始年度 | 2021年度(令和3年度) |
| 終了年度 | 2025年度(令和7年度) |
| 累計公募回数 | 12回 |
| 補助上限額 | 100万~1億5,000万円(枠による) |
| 補助率 | 1/3~3/4 |
廃止の背景と理由
1. コロナ禍からの回復
事業再構築補助金はコロナ禍の緊急経済対策として創設されました。経済活動の正常化に伴い、緊急支援型の補助金から平時の成長支援型への転換が図られています。
2. 不正受給・目的外使用の問題
会計検査院の調査により、一部の採択事業で以下の問題が指摘されました。
- 交付目的と異なる用途への使用
- 実績報告の不備
- 過大な経費計上
これらの問題を受け、制度の見直しが行われました。
3. 政策の重点シフト
政府の中小企業政策は、以下の方向にシフトしています。
- コロナ対策から成長支援へ
- 事業転換から生産性向上・省力化へ
- 大型一律支援からテーマ特化型支援へ
代替となる新制度
事業再構築補助金の終了に伴い、以下の新制度が設けられています。
新制度の位置づけ
| 旧制度 | 新制度 | 主な違い |
|---|---|---|
| 事業再構築補助金(事業転換) | 新事業進出補助金 | コロナ要件なし、成長分野に特化 |
| 事業再構築補助金(省力化) | 中小企業省力化投資補助金 | カタログ型で簡便な申請 |
| 事業再構築補助金(グリーン) | ものづくり補助金 グリーン枠 | GX関連に特化 |
新事業進出補助金の詳細
制度概要
新事業進出補助金は、中小企業が新たな事業分野への進出を行う際の経費を支援する制度です。事業再構築補助金の後継として位置づけられています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 500万~9,000万円(枠・規模による) |
| 補助率 | 1/2(小規模事業者は2/3) |
| 対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
| 申請方式 | 電子申請(Jグランツ) |
申請要件
- 新事業進出計画の策定
- 既存事業とは異なる新分野への進出計画
-
市場調査・競合分析に基づく具体的な計画
-
付加価値額の増加
-
年率平均3%以上の付加価値額の向上
-
賃上げ要件
-
給与支給総額の年率平均2%以上の増加
-
認定支援機関の確認書
- 金融機関や税理士等の確認が必要
事業再構築補助金との違い
| 項目 | 事業再構築補助金 | 新事業進出補助金 |
|---|---|---|
| コロナ関連の要件 | あり(売上減少要件等) | なし |
| 事業転換の定義 | 5類型(新市場/事業転換等) | 「新事業分野への進出」に簡素化 |
| 補助上限額 | 最大1.5億円 | 最大9,000万円 |
| 審査の重点 | 事業転換の妥当性 | 成長分野への進出計画 |
中小企業省力化投資補助金
制度概要
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に対応するための省力化設備・ツールの導入を支援する補助金です。あらかじめ登録された製品のカタログから選択する「カタログ型」で、申請が比較的簡便です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 200万~1,500万円(従業員規模と賃上げ特例による) |
| 補助率 | 1/2 |
| 対象製品 | カタログに登録された省力化製品 |
| 申請方式 | 電子申請(Jグランツ) |
対象となる省力化製品のカテゴリ
- 清掃ロボット:商業施設、ホテル等
- 配膳ロボット:飲食店
- 自動精算機:小売店、クリニック
- AIチャットボット:顧客対応
- RPA:事務処理の自動化
- 自動搬送装置:倉庫、工場
- 検品システム:製造業
事業再構築補助金で採択された方への影響
既に採択されている場合
事業再構築補助金で既に採択を受けている事業者は、以下の点に注意してください。
- 事業実施期間は変わりません
-
交付決定時に定められた期限までに事業を完了してください
-
実績報告は必ず提出
-
期限内に実績報告書を提出しないと、補助金が受け取れません
-
事業化状況報告
- 補助事業終了後も、5年間の事業化状況報告が求められます
申請を検討していた場合
事業再構築補助金への申請を検討していた方は、以下の代替制度を検討してください。
- 事業転換を計画している方 → 新事業進出補助金
- 設備投資による省力化を計画している方 → 中小企業省力化投資補助金
- DX推進を計画している方 → ものづくり補助金 デジタル枠
- グリーン投資を計画している方 → ものづくり補助金 グリーン枠
今後の対応策
事業転換を検討している方へのアドバイス
- 新事業進出補助金の公募情報をチェック
-
中小企業庁のウェブサイトで最新情報を確認
-
認定支援機関に早めに相談
-
新制度の要件に合った事業計画の策定をサポートしてもらう
-
複数の補助金を組み合わせる
-
新事業進出補助金+IT導入補助金+持続化補助金など、異なる経費で併用
-
GビズIDプライムを取得しておく
- 新制度もJグランツでの電子申請が基本
FAQ
Q1. 事業再構築補助金は本当に完全に終了しましたか?
はい、2025年度の公募をもって終了しています。2026年度以降の復活は現時点では予定されていません。後継制度として新事業進出補助金等が設けられています。
Q2. 新事業進出補助金は事業再構築補助金と比べて使いやすいですか?
コロナ関連の要件がなくなったため、要件面では申請しやすくなっています。一方、補助上限額は事業再構築補助金よりも低く設定されています。
Q3. 事業再構築補助金の不採択通知を受けた場合、新制度に申請できますか?
はい、新事業進出補助金や他の補助金に新たに申請することは可能です。ただし、事業計画は新制度の要件に合わせて作り直す必要があります。
Q4. 事業再構築補助金で採択された事業の途中変更はできますか?
事業内容の軽微な変更は事務局への届出で対応可能です。大幅な変更の場合は計画変更承認申請が必要です。いずれも事務局に事前相談してください。
Q5. 省力化投資補助金のカタログにない製品は対象外ですか?
はい、カタログに登録されていない製品は対象外です。カタログにない設備投資を行いたい場合は、ものづくり補助金の省力化枠をご検討ください。
事業再構築補助金で採択された事業者の今後
事業再構築補助金で採択された方は、以下の義務が継続しています。
事業化状況報告
補助事業完了後、5年間にわたって事業化状況報告が求められます。具体的には以下の項目を報告します。
| 報告項目 | 内容 |
|---|---|
| 売上高の推移 | 補助事業に関連する売上 |
| 付加価値額 | 計画と実績の比較 |
| 雇用の状況 | 従業員数の変化 |
| 事業の進捗 | 計画通りに進んでいるか |
収益納付
補助事業の成果により十分な収益が得られた場合、補助金の一部を返納する「収益納付」の対象となります。報告時の収益状況に基づいて判断されます。
財産の管理
補助金で取得した設備(50万円以上)は、法定耐用年数の期間中、適切に管理する義務があります。売却・廃棄する場合は、事前に事務局の承認が必要です。
事業転換を検討している方への実践アドバイス
新事業進出補助金に申請する前に
事業転換や新分野進出を検討している方は、補助金申請の前に以下のステップを踏むことをおすすめします。
- 市場調査を徹底する
- 進出予定の市場規模、成長率、競合状況を調べる
-
公的データ(経産省統計、業界団体レポート等)を活用する
-
小規模なテストを行う
- いきなり大きな投資をせず、まずは小規模にテスト販売やサービス提供を試みる
-
顧客からのフィードバックを収集し、事業計画に反映する
-
認定支援機関に相談する
- 税理士や中小企業診断士に事業計画の妥当性を確認してもらう
-
金融機関にも相談し、つなぎ融資の可能性を確認する
-
既存事業との相乗効果を考える
- 完全な異業種への転換よりも、既存事業のノウハウを活かせる分野のほうが成功率が高い
- 顧客基盤、技術力、販路など、既存の経営資源を活用できる計画を策定する
まとめ
事業再構築補助金は2025年度で終了しましたが、中小企業の事業転換・成長を支援する制度は形を変えて継続しています。
今後の選択肢
| 目的 | おすすめの補助金 |
|---|---|
| 新分野への事業進出 | 新事業進出補助金 |
| 人手不足対策・省力化 | 中小企業省力化投資補助金 |
| DX・デジタル投資 | ものづくり補助金 デジタル枠 |
| 脱炭素・グリーン投資 | ものづくり補助金 グリーン枠 |
| ITツール導入 | IT導入補助金 |
| 販路開拓(小規模) | 小規模事業者持続化補助金 |
事業再構築補助金の終了をきっかけに、自社に最適な補助金を改めて見直してみましょう。
事業環境が大きく変化する中、補助金制度も変わり続けています。最新の情報を常にチェックし、自社の成長戦略に合った制度を積極的に活用していきましょう。
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